2016年05月07日

【展示紹介】アメリカフウロ

2016年度 軽井沢草花館20周年記念 特別企画展

草花スケッチ×草木染による染色見本
「軽井沢の草絵染展T−X」より(T)
4/23から5/23まで

石川功一の描いた軽井沢の草花スケッチと、山崎青樹をはじめとした草木染の染色工芸家の染めた染色見本のコラボレーション企画を開催しています。
5/23まで公開の石川功一の草花図(水彩スケッチ+油彩画で42点)と草木染による染色見本27種の中から、アメリカフウロをご紹介します。

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石川功一 草花スケッチ(東京にて) アメリカフウロ 1986年5月12日

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山崎青樹 草木染 アメリカフウロ

このアメリカフウロ、現在NHK朝の連続ドラマで放送中の「とと姉ちゃん」に昨日今日(5/6、5/7)と登場しました。ドラマでは、植物の新種(帰化植物)発見に情熱を注ぐ帝大生、星野武蔵(たけぞう)が、この帰化植物を日本で最初に発見! と思わせてくれたのもつかの間、ちょっとの差で先に他の研究者に発見されていた… ということで終わります。ドラマの中ではまだ和名がないため、ゲラニウム カロリニアヌム(Geranium carolinianum L.)という学名で呼ばれていました。

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石川功一 草花スケッチの一部拡大 アメリカフウロ 1986年5月12日


もともとアメリカフウロは北アメリカ原産の植物で、日本には昭和8年(1933年)、植物学者・牧野富太郎博士によって京都で発見され、報告されたのが最初だそうです。ですからドラマの中で先に発見した人物は牧野博士がモデルになっているのでしょう。

ところが、一昨年2014年に、富山で日本最古とされるアメリカフウロの標本が見つかり話題になりました。
「富山県 中央植物園だより No.73 2014年10月号」によると、牧野博士が発見する18年前の大正4年(1915年)、富山の師範学校の裏庭で採取された標本が同じフウロソウ科のタチフウロとして保存されていましたが、その特徴から、約100年の時を超えてアメリカフウロであると再同定されたとのことです。

展示中のアメリカフウロは1986年に石川功一が東京でスケッチしたものです。軽井沢では自生していないため、今まで展示する機会に恵まれませんでしたが、今回、山崎青樹氏によって染められたアメリカフウロの草木染と共に、スケッチ×草木染という形で、初めて公開することになりました。草木染はアルミ、銅、鉄の3つの媒染剤によって染められていて、上品な茶系の色です。

スケッチ、染色見本共に2016年5月23日(月)まで公開しています。

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2006年5月3日 東京北区にて撮影 アメリカフウロ

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2006年5月3日 東京北区にて撮影 アメリカフウロ
約100年前に日本に帰化してきたアメリカフウロは現在東北地方から沖縄まで広い範囲で分布を広め、東京でも公園や空き地などで雑草として見られます。軽井沢でアメリカフウロが生えていたという話は聞いたことがありませんが、温暖化が進むなど、今後、侵入してくる可能性も否定はできません。

展示の詳細は小さな美術館軽井沢草花館のHPをご覧ください
posted by kusabanakan at 16:42| 展示紹介