蜂の子もいなくなってしまい、働きバチとして世話をする必要のなくなってしまった2匹のアシナガバチ。 最近巣から離れ、ポットの蓋の裏側で、注ぎ口の部分のわずかな隙間に顔を付けてじっとしていることが増えていました。 このまま、毎朝蜂蜜を与えながら飼育し続けることも一つの選択ですが、まだ2匹が元気なうちに自然に返すことも一つの選択であると、ここ数日考えました。 いずれにしろ、アシナガバチの寿命は数か月しかないらしく、女王蜂にならない限り、このまま越冬することはないようです。 最終的な自己判断で、2匹のアシナガバチを軽井沢の山に戻すことに決め、今朝お別れをしてきました。飼育を始めて32日目の旅立ちをレポートします。
======================= その前の補足となりますが、もともとこのアシナガバチは軽井沢の自然の環境で生まれたもので、自然にかえすことで、人に危害が加わるようなことが通常ないことを十分検討したうえでの判断となります。 近年イヌやネコのようなペットだけでなく、日本の野生に放してはいけない動植物(特定外来生物)までもが野生に捨てられるケースが大きな社会問題になっています。 アシナガバチは、これら特定外来生物ではなく、また野生化することで問題になる昆虫ではないと判断しました。 特定外来生物のことについては、環境省のホームページに詳しい解説が載っています。大切なことだと思いましたので、以下にホームページのリンク先を記載しました。正しい知識を得るためにも、是非一度、ご覧いただきたいと思います。
環境省ホームページ 外来生物法
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さて、ここからがレポートです。
8月26日、朝8時半頃、住宅地域を離れた山間まで車で移動。
駐車後、間伐されたばかりの見通しの良い草地まで少し歩きました。
まずは、草の生い茂る場所にポットを置いてみました。
アシナガバチの車酔いも心配しましたが、
2匹の蜂に変わった様子はなく、ポットの中でおとなしくしていました。
いよいよ、お別れの時がやってきました。
念のため上着と手袋を着用して、ポットの蓋を空けました!
が…、蜂はポットの中にいたまま出てきません…
急に天井が明るくなってビックリしたのかもしれません。
10秒くらい様子を見てみるものの外に出てこないので、
枯れ枝をポットの中に入れて蜂に掴まらせ、
枝ごと外に出すことを考えました。
うまくいきました!
しかし、2匹同時とはいかず、まずは一匹目。
数秒のあいだ、上の写真の状態で固まっていましたが、
枝をチョコンと動かした瞬間に、勢いよく羽ばたきました!
アシナガバチにとって生まれて初めての飛び立ちです!
近くの草むらの中に留まりました。
初めて自然の草に掴まった瞬間。
そして、次の瞬間。勢いよく西の方面に旅立っていきました!
2匹目も同様、枝に掴まらせて外に出したところ、すぐに飛び立っていきました。
蜂の子の居なくなってしまった蜂の巣はそのまま、草むらに置いてきました。
土にかえるか、他の昆虫やけものの食糧になるかもしれません。
これで32日間にわたる、アシナガバチの観察が終わりました。
もともと、蜂を飼う考えなどみじんもなく、
駆除したハチの巣をどう処分したらよいか迷い、
タッパーに入れておいた巣から蜂が羽化してきたことがきっかけです。
何の知識もなかったため、
決して良い飼育方法ではなかったと思いますが、
じっくりと観察でき、とても勉強になりました。
でも、来年は壁に巣をつくらないでね…
とお願いしたいです。
アシナガバチの居なくなったガラス製の珈琲ポット
2011年8月26日
−終−
posted by kusabanakan at 11:43|
アシナガバチ